書評
携帯やスマホの普及で写真の撮影は日常的になり、自分の顔や身体を加工することも身近になった。そして自分の顔を自在に素材として扱う先駆者は南伸坊氏だと思う。
現代日本はデフレスパイラルだし、新型コロナも落ち着いていないし、先の希望も見えないが、もし19世紀初頭のイギリスで石炭を掘らなきゃ暮らしていけない人生と交換しろといわれたら私は断る。
世の中ではシンデレラ・ストーリーと単純にカテゴライズされがちだが、この作品で特筆すべきは主人公のジュディがあしながおじさんにあてた手紙からあふれ出る才気とユーモアである。
人生に躓いたとき、あなたならだれに相談するだろうか。 信頼できるパートナーや身近な友人? それとも職場の先輩? 古今東西の膨大な書物の中に導きを求める人もいるかもしれない。
対談を読むのが好きだ。特にモノローグ(作品)がイイ作者どうしの会話は絶対面白い。
人は己(というかプライド)を守るため日常的に様々なもので武装している。化粧、ファッション、経歴、家柄、知性、などなど。人と出会って最初に得られるのは外側の情報であり、よほど踏み込まない限りなかなかその奥を知ることはできない。
ワニの花子の切なさに、何度読んでも『オーオーオー』と泣いてしまう一冊。ありふれた失恋物語ではあるが、絵も含め登場人物の行動や言動のリアルさ、心情の描き方がすばらしい。
最近、大々的な断捨離をした。私の母は昭和ヒトケタ生まれで物がない時代に育ち、なかなか物を捨てられないうえに思い出の品は取っておくタイプの人だったので、私たち姉妹の幼少時からの図工作品も大量に残っていた。
待望の南伸坊、文子ご夫妻の顔マネ最新作(2021年発行)である。関連シリーズ第一作「顔」は南氏の絵画鑑賞的視点からさまざまな考察をつなげた科学的な「顔」についての講義だが、シリーズが進むにつれ、著者の顔マネ、そしてコメントのなりすましまで芸が…
書評アイキャッチ どんな人が面白いのか。世の中にはその道の追求者がたくさんおり、人生をかけてお笑いの道の追求に挑んでいる人もいるから、おいそれと生ぬるいことは言えない。