ワニの花子の切なさに、何度読んでも『オーオーオー』と泣いてしまう一冊。ありふれた失恋物語ではあるが、絵も含め登場人物の行動や言動のリアルさ、心情の描き方がすばらしい。

失恋をしたことのない人にとってはまったく響かない話かも。でもまぁ人間の幅を広げるのはさまざまな感情の経験だったりもするから。
花子が失恋から徐々に立ち直るときの友達ネズミ・チヨ子の行動や言動がありがちで笑ってしまう。そうそう、ほんとにいいヤツってそうだよね。それに失恋なんて当人にとってしか重大な問題じゃないしなぁ。
世界中の花子たちがたくましく、ごくごくたまに可憐に生きている限り、きっとこの世は大丈夫。