鰐とリボン

「肩肘はらずいつのまにやらいかず後家な40代」が本を紹介するブログです

ユーモアがあれば大丈夫

世の中ではシンデレラ・ストーリーと単純にカテゴライズされがちだが、この作品で特筆すべきは主人公のジュディがあしながおじさんにあてた手紙からあふれ出る才気とユーモアである。

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あしながおじさんジーン ウェブスター(著, イラスト), 坪井 郁美(翻訳), 福音館文庫

作者の視点や世界観を作品から読み取ることは読書の醍醐味の一つだが、この本でジュディとして描かれている視点は最高に魅力的で、読んでいて「そうか!そう解釈すればいいよね」と思わず膝を打ってしまうものばかりである。自身の不幸な境遇との折り合いのつけ方、意地悪な相手に対する反応と対処、人を羨む気持ちの消化方法…。友達と写った写りが悪い(?)写真を送る際に「もっとほんとは美人なのだけど!」と付け加えるウィット。

とくに好きなのが「(孤児であっても)わたしにだって誇りはある」という言葉。人間の品性は生まれながらに与えられるものではなく、その人が生きるうえで獲得していくもの。 まわりに押しつぶされることなく、自分が信じるままのびやかに生きるジュディ。今読み返すと、すっかりあしながおじさん側の目線で読んでしまい、ジュディの健気さに胸がいっぱいになる。

そして今の日本にジュディがいたら…意外と結婚せずバリバリ働くキャリアウーマンかも。居酒屋で時にはくだをまいたりしながら、都会の大人女子生活を満喫しているかもしれない。