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ちいちいこばかま 其の六(全八話)

日本昔ばなし ちいちいこばかま (第六話)〜

いったいお侍に化け物はみえるのか?!

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ちいちいこばかま 其の一
ちいちいこばかま 其の二
ちいちいこばかま 其の三
ちいちいこばかま 其の四
ちいちいこばかま 其の五

その日、お侍は娘にいつも通り床についてもらった。
そして自分は隣の部屋で夜がふけるのを待った。
寝間へ少し開けた襖の細い光に照らされ、あたりには秋の虫の声が響き渡っていた。

しばらくそんな時間が続いたので、お侍も
(やはり娘の夢の中の話なのではないか)
そう思い始めたその時だった。

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「ちいちい こばかま 夜もふけてそうろう おしずまれ 姫ぎみどの や とんとん」
「ちいちい こばかま 夜もふけてそうろう おしずまれ 姫ぎみどの や とんとん」

お侍の耳に、細く甲高い不思議な節回しの歌がお囃子のように聞こえてきたのだ。
(これか…!)
お侍は襖をもう少し開いた。
「うっ」
思わず声が出た。
目の前には、恐ろしさのあまり布団に潜り込んでいる娘を取り囲む、数えきれぬほどの小さなものたちが確かにいた。
武士の格好をした彼らは舞い踊り、その歌は無機質な響きで延々と繰り返されていた。

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ちいちいこばかま 其の七
ちいちいこばかま 其の八