〜日本昔ばなし 河童のちえくらべ (第四話)〜
夕闇にまぎれて、河童たちの再チャレンジがはじまった!
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河童のちえくらべ 其の一
河童のちえくらべ 其の二
河童のちえくらべ 其の三
その日の夕刻、河童たちはおじいさんの家の厠(かわや)近くにひそんだ。
やがて太陽と月が入れかわる時刻がやってきて、あたりにすこしずつ闇がたちこめてきた。
河童たちはおじいさんが寝床に入る前のこの時刻あたりにかならず用を足しにくることを知っていた。
イチが厠の中に入り込み、角の暗がりに縮こまる。
それをニイとサンは厠の窓の下から見守った。
しばらくすると、おじいさんが厠に入ってきた。
そして、用を足そうとゆっくりとしゃがんだ。
「いまだ!」
イチはおじいさんのお尻の穴めがけて思いきりよく手を伸ばした。
手が届いた、と思った瞬間、ゴンッと鈍い音がした。
「イデェッ!」
イチが悲鳴をあげた。
見ると、おじいさんは着物の下に固い鍋の蓋を仕込んでいた。
そして後ろ手で蓋をしっかり押さえ、お尻を防御していたのだった。
「おい、河童たち。そんなにかんたんにわしの尻子玉を取れると思うなよ」
おじいさんはしゃがんだまま振り向くと、怖い顔でそういった。
「ひえええええ!」
打ちつけた手を痛がるイチを連れ、ニイとサンは今回もすごすご退散するしかなかった。
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河童のちえくらべ 其の五
河童のちえくらべ 其の六
河童のちえくらべ 其の七
河童のちえくらべ 其の八
河童のちえくらべ 其の九
河童のちえくらべ 其の十
河童のちえくらべ 其の十一
河童のちえくらべ 其の十二