〜日本昔ばなし 妖怪皮算用(ようかいかわざんよう)(第二話) 文・絵 ムトゥチズコ〜
死にたくない男がまずやったこととは…?
男はまず、書物を探すことにした。
古今東西これだけの人間がいるのだから、同じようなことを考えた沢山の先達(せんだつ)がいるだろう。
成功した者がいないことは確かだが(いたら世間に知られているだろう)、その一歩手前までいった者がいたかもしれない。
男は近所で蔵書を皆に解放している貸本屋へ出かけた。
上がり込んで本をめくっていると
「めずらしいな、庄屋どの。なにか探し物か」
町医でもある本屋の主(あるじ)が声をかけてきた。
「いやちょっと」
さすがに目的を言うのははばかられたので、ごまかしながら男は毎日通い詰め、あるたけの本をめくってみた。
しかし、書かれていたのは生きる時間をどのように過ごすか、はたまたその心構えとは、といった内容ばかりで、死なない方法については手がかりすら全く見つからなかった。
「まぁそう簡単に見つかるわけはないか」
ひとりごちながら、男はすごすごと退散した。
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妖怪皮算用(ようかいかわざんよう) 其の三 準備中