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ぶつくさ太郎と一つ目小僧 其の三(全二十四話)

ぶつくさ太郎と一つ目小僧

日本昔ばなし ぶつくさ太郎と一つ目小僧(第三話) 文・絵 ムトゥチズコ〜

太郎に重吉は今日もちょっかいを出してくる…!

ぶつくさ太郎と一つ目小僧
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翌日、太郎が寺子屋に行くと先生はいつもどおり、せかせかと忙しそうにしていた。

寺子屋では各々が学びたいことを学び、わからなくなったら、先生や先に進んでいる仲間に相談することになっている。

太郎は今日は算学の日だったので気が楽だった。けして計算は得意ではないが、曖昧さがないのが性に合う。

教科書をみながら一生懸命そろばんを弾いていると、同じく算学をやっている重吉がちょっかいを出してきた。

「おい、おい、太郎」

「今話しかけないでくれ。わからなくなる」

「ここと、ここのよう。答えはなんになるんだい」

太郎は重吉のこういうところが苦手だった。なんでも聞いて、てっとりばやくすませようとする。

「でも、答えがあっているかわからないし」

「それでもいいよ。答えはなんなのか教えてくれよ」

「いやだ」

「いいじゃないか減るもんじゃなし」

もめていると先生がやってきた。

「太郎、重吉! 皆の迷惑になるから静かにしなさい」

すかさず重吉が

「だいぶ先に進んでいる太郎に教えてもらおうと聞いただけなのに、教えてくれません」

とかわす。

「ちがいます、重吉が答えだけを知りたがるので…」

太郎はあわててそういったが、先生はいつものいさかいだと思ったらしく

「教えあってこそ、自らの理解が深まると言うもんだ。太郎、教えてあげなさい」

そういって、違う生徒の指導に戻ってしまった。

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ぶつくさ太郎と一つ目小僧 其の四