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ぶつくさ太郎と一つ目小僧 其の七(全二十四話)

ぶつくさ太郎と一つ目小僧

日本昔ばなし ぶつくさ太郎と一つ目小僧(第七話) 文・絵 ムトゥチズコ〜

一つ目小僧は気遣い上手…⁈

ぶつくさ太郎と一つ目小僧
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その日、太郎は家に戻ると、夕餉(ゆうげ・晩ごはん)の支度をしている母親に、自分は味噌汁だけでいいと伝えた。母親は

「体の調子が悪いのかい」

と心配したが、太郎は

「伝右衛門さんのところで、ふかし芋をいただいたのです」

とごまかし、皆のご飯茶碗にいつもどおりにご飯をよそった。

その実、腹が減っていまにもお腹と背中がくっつきそうだったのだが、自業自得だ、と自分をいましめながら味噌汁を飲もうとして太郎は驚いた。

「母上、おからが入っているではないですか。いったいどうしたのですか」

すると

「さっき珍しく、表に豆腐売りがきておからが余ったからよかったら、といただいたのですよ」

という。

(きっと一つ目小僧だ! かえって気を使わせてしまったな)

太郎がまたクヨクヨしながら一口飲んでみると、そんな気持ちがふっとんでしまうほどおいしく、じんわりと胃の腑に染みわたった。

(おからをいれると優しい味になるし、お腹にたまるんだなぁ。今度あったらお礼をいわなくちゃ)

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ぶつくさ太郎と一つ目小僧 其の八