〜日本昔ばなし ほらふき (第一話)〜
当代一のほらふき男、タヌ吉のお話のはじまりはじまり。
むかしむかし、あるところにタヌ吉というほらばかり吹いている男がいた。
もっともらしく上手に話すので、皆、どこかでわかっていながら何度も騙された。

タヌ吉「おーおー皆、精が出るのぅ。ご苦労さん。
そういえば、あっちの竹林にタケノコがたくさん植わっていたぞ」

村人たち「なに!いま時分のタケノコは高値で売れるぞ。
だれかにとられぬうちにいそげ、いそげ」

村人たち「あれあれ!一本もないじゃないか!また、タヌ吉にだまされた!」
