〜日本昔ばなし おぶさりてぃ (第四話)〜
化け物を連れて帰ってみると…
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おぶさりてぃ 其の一
おぶさりてぃ 其の二
おぶさりてぃ 其の三
さて、女房が心配しているだろう、そろそろ帰らなければ、と亭主は考えた。
しかし、化け物はいっこうに背中から降りる気配がない。
しょうがないので、亭主は化け物をおぶって暗い道を帰ることにした。
「お、重い重い…なんだかだんだん重くなるような気がするなぁ」
ようやく家に帰ると、女房が寝ずに待っていた。
女房は亭主の無事を喜んだが、化け物を見てたいそうこわがった。
女房「ひぃぃ!そいつはだれだい⁈」
亭主「化け物だよ。だがわるいやつじゃなさそうだ。おぶさりてぇっていうから、連れてきた」
亭主はすっかり疲れていたので、床の間に化け物をおろすと、すぐに寝てしまった。
いっぽう女房は。
「いまに喰われるんじゃないかしら」
と、不安でまんじりともできなかった。
明け方、亭主は女房の大きな声で目が覚めた。
「お前さん!大変だよ、化け物が金になっちゃった」
みると化け物はピカピカに光る金にかわっていた。
採掘場で掘り起こされ、放って置かれたままの金がさみしがり、化けてでたのであろう。
夫婦は金持ちになり、末永く仲良く暮らしたそうだ。
(了)