〜日本昔ばなし ちいちいこばかま (第二話)〜
嫁ぎ先でもマイペースな娘だったが…
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ちいちいこばかま 其の一
娘は嫁ぎ先でも相変わらず、なにかに夢中になると食後のお茶碗をほったらかしたままだったり、洗った洗濯物も干しっぱなしだったりであった。
近所の子供たちが柿を取ろうと木に登ると、一緒になって登ろうとする。
これには嫁ぎ先の姑さまも
「あんれまぁ。あぶない、あぶない」
と驚いていたが、
「嫁いできたばかりだし、いまに家の仕事にも精をだすだろう」
と、特段、文句も言わなかった。
やがてお侍がいくさに行くことになった。
お侍の両親は「名誉なことだ」と息子を励ました。
が、娘は行ったきり帰ってこないのではないか、と心配でならなかった。
だからといって、お侍なのだから、引き止めるわけにもいかない。
そこで知っているお話の中で登場人物が岩陰に隠れたり、丈夫な鎧を身につけたりして、敵をうまくかわした例をお侍に熱心に話して聞かせた。
お侍はといえば、
「そうか、そうか」
と頷くばかりであった。
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ちいちいこばかま 其の三
ちいちいこばかま 其の四
ちいちいこばかま 其の五
ちいちいこばかま 其の六
ちいちいこばかま 其の七
ちいちいこばかま 其の八