〜日本昔ばなし ちいちいこばかま (第四話)〜
楽観的な娘もさすがにまいってしまう?
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ちいちいこばかま 其の一
ちいちいこばかま 其の二
ちいちいこばかま 其の三
娘はその正体をよくみようとそのうごめいているなにかに顔を近づけた。
それは、今までみたことのない、茶色い小さいなにかであった。
しかも一つ一つが、武士の格好をし、きちんと袴や刀まで着けていた。
そして、彼ら皆があの不思議な歌を歌っているのだった。
「ちいちい こばかま 夜もふけてそうろう おしずまれ 姫ぎみどの や とんとん」
「お前さまたちはいったい、なんなのだい?」
形が人のようにも見えるので、娘は震える声で聞いてみた。
しかし彼らは無表情のまま、ただただ、歌を歌い、踊り続けた。
(やはり人ではないのだ)
娘はますます恐ろしくなった。
その間にも彼らは、どんどん増え続け、何百という数で娘の周りをぐるぐる回り始めた。
それからというもの、彼らは毎晩娘のもとに現れるようになった。
そして歌い踊ると、いつのまにやらかき消すように消える、といったことが続いた。
いつもは明るい娘も、これにはさすがに参ってしまい、しだいに病気がちになり、床に伏せることが多くなった。
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ちいちいこばかま 其の五
ちいちいこばかま 其の六
ちいちいこばかま 其の七
ちいちいこばかま 其の八