〜日本昔ばなし 小豆洗い(あずきあらい) (第五話)〜
とうとう平六の出番がやってきた!
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小豆洗い(あずきあらい) 其の一
小豆洗い(あずきあらい) 其の二
小豆洗い(あずきあらい) 其の三
小豆洗い(あずきあらい) 其の四
しかし、剛助が喝采を浴びていると、またもやあの声が聞こえてきたのだった。
「ショキショキショキ、小豆とぎましょうか?それともおまえさまがたを取って食いましょうか?」
「やはり小豆洗いは恐ろしいやつだ。金兵衛どんも剛助どんもまったく歯が立たないじゃないか」
見物めあてにやってきた野次馬たちはがっかりした。
「残っているのは平六だけか。どうせ無理だろう」
しかし、平六は
「では、いってきます」
落ち着いた様子で寺の中に入っていった。
(やはり寺の中は暗くて薄気味が悪いな)
寺の中をしばらく進むと、やがて赤く光る二つの光が見えてきて、あまり動じない平六もすこし恐ろしくなった。
(でもあの声はどこか、かわいらしいしなぁ)
妖怪は猫なで声で相手をだますといううわさを聞いたことがあったが、そんなタチの悪い相手とも思えなかった。
そうこうしているうちに、平六の上にも黒いなにかが降ってきた。
「うわっ」
しかし、今回はなぜかかなり小ぶりの大きさで、平六は自分の頭に当たったそれを両の手のひらでうまく受け止めることができた。
「なんだろうこれは。食べ物のような、いい匂いがするなぁ」
平六はおそるおそる、手についた何かの外側をすくってペロッっと舐めてみた。
「これは…あんこだ。なんだこれ、おはぎじゃないか」
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小豆洗い(あずきあらい) 其の六
小豆洗い(あずきあらい) 其の七
小豆洗い(あずきあらい) 其の八