〜日本昔ばなし 小豆洗い(あずきあらい) (第三話)〜
金兵衛は小豆洗いを退治することができるのか?
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小豆洗い(あずきあらい) 其の一
小豆洗い(あずきあらい) 其の二
寺の中は薄暗かったが、障子から月の明かりでところどころがぼんやり照らされていた。
金兵衛が目を凝らすと、奥に目のような不気味な二つの光が見えた。
(あれが妖怪小豆洗いか⁉︎)
一瞬怯んだ金兵衛だったが、槍を構えつつ、震える足で先へと進んだ。
しばらく進んだときだった。
突然、上からなにやら大きな黒いものが落ちてきた。
「うわーッ!!」
金兵衛は恐ろしさのあまり、その黒いものめがけて、めったやたらに槍を突いたり、振り下ろしたりした。
そして振り返りもせず、寺の外へ逃げてきた。
皆はとりあえず金兵衛が戻ってきたことにほっとした。
「無事でよかった。そして小豆洗いは? やっつけたのか?」
金兵衛は得意げに答えた。
「黒くて大きい、恐ろしい妖怪だった。しかとはわからぬが、この槍に手応えがあったぞ!」
皆は大喜び。
「おーさすが金兵衛どんじゃ!」
しかし、金兵衛が喝采を浴びていると、またあの声が聞こえてきたのだった。
「ショキショキショキ、小豆とぎましょうか?それともおまえさまがたを取って食いましょうか?」
……皆、心底がっかりした。
「あぁ、あぁ。なんと。退治できていなかったか」
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小豆洗い(あずきあらい) 其の四
小豆洗い(あずきあらい) 其の五
小豆洗い(あずきあらい) 其の六
小豆洗い(あずきあらい) 其の七
小豆洗い(あずきあらい) 其の八