〜日本昔ばなし 妖怪皮算用(ようかいかわざんよう)(第一話) 文・絵 ムトゥチズコ〜
老いに気づいた死にたくない男の話の、はじまりはじまり
昔々あるところに、死にたくない男がいた。
若い頃からずっと死にたくなかったが、その頃はまだまだ先のこと、と考えていた。
やがて男も年をとり、齢(よわい=年齢)も七十を超えはじめた。
そして、ある夜のこと。男は突然、真夜中にパチッと目が覚めた。
昔からよく眠れるタチだったので、こんなことははじめてだった。
「年をとると続けて眠れなくなるとはこのことか。いよいよ老いが進み、私の寿命も尽きるのか」
男はまあまあ大きな村の庄屋であった。貯めた金もそこそこあり、孫やひ孫も十人以上いた。
おおむね満足な人生ではあった。しかし、それとこれとは別の話だ。やはり死にたくない。
男は早速、どうにか死なない方法を探すことにした。
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妖怪皮算用(ようかいかわざんよう) 其の二