〜日本昔ばなし 河童のちえくらべ (第二話)〜
河童たちの作戦開始!
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河童のちえくらべ 其の一
あくる日、河童たちは、おじいさんが犬のタロの散歩で池のほとりを通りかかるのを待った。
おじいさんが近づいてくるのが見えたので、河童のイチとサンは池のほとりの岩陰に隠れた。
残ったニイだけが池に潜り、頭上の皿におじいさんの好物の梨を乗せ、岸近くを泳いだ。
ニイはおじいさんの目に入るよう、ゆらゆらと揺れてみせた。
「おや?なんだろう」
気づいたおじいさんはタロを連れて近づいた。
(あれは梨か?梨がぽっかり池に浮かんでいる?)
おじいさんがもっとよく見ようと近づくと、皿は梨を乗せたまま、おじいさんを招くようにスッと池の中央へ動いた。
おじいさんはすぐに、これが河童たちの仕業だとピンときた。
(ははーん、池の中にワシを引きずり込む気だな。少しからかってやろう)
「おやおや、ワシの好きな梨が池に浮かんでいるぞ。ふしぎなこともあるものだ。皿を鎌でたぐり寄せてみよう」
おじいさんはあたりに聞こえるように大声でそういうと、腰に下げていた鎌を抜き、スッと頭上高く構えた。
それを聞いたニイは慌てふためいた。刃物で大事な皿を手繰り寄せられてはたまらない。
「ギャッ!」
勢いよく池から飛び上がると、その勢いのまま池深くへと潜っていってしまった。
おじいさんはニンマリすると、何事もなかったかのようにタロと歩いていった。
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河童のちえくらべ 其の三
河童のちえくらべ 其の四
河童のちえくらべ 其の五
河童のちえくらべ 其の六
河童のちえくらべ 其の七
河童のちえくらべ 其の八
河童のちえくらべ 其の九
河童のちえくらべ 其の十
河童のちえくらべ 其の十一
河童のちえくらべ 其の十二