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河童のちえくらべ 其の六(全十二話)

日本昔ばなし 河童のちえくらべ (第六話)〜

アオの尻子玉をしっかりとつかめたサンだったが…?

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河童のちえくらべ 其の一
河童のちえくらべ 其の二
河童のちえくらべ 其の三
河童のちえくらべ 其の四
河童のちえくらべ 其の五

サンの手がしっかりと馬のアオの尻子玉を掴むと、驚いたアオが大声でいななき、前足が空をかいた。

そのいきおいでサンもふきとばされそうになったが、ぐっとこらえて着実に尻子玉を抜き取ろうとした。

その時、頭上からおじいさんの怒声がふってきた。

「なにをしとるか!」

振り向くと離れたところにいたはずのおじいさんが鎌をかまえてすぐ近くに立っていた。

「あぶない!サン!」

すこし離れたところで待機していたイチとニイが急いで駆け寄ろうとしたが、まにあわなかった。

おじいさんは鎌を振り下ろし、サンの手はすっぱりと体から切り離された。

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もんどりうって倒れたサンを、イチとニイは抱えると必死でその場から逃げた。

おじいさんは追ってくるかと思われたが、まずは興奮しているアオをなだめるのに必死なようだった。

「サン!サン!」

イチとニイは泣きながらサンをかかえて一目散にすみかの池へともどった。


「どう、どう、もうだいじょうぶだぞ」

背を撫でて馬のアオをようやく落ち着かせると、おじいさんは手元に残ったサンの手をしげしげと眺めた。

手はまだピクピクと動き、持ち主のもとに戻りたがっているようだった。

「さぁて、これはどうしたもんか」

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